こんにちは。会社員ミニマリストのカボチャです。
クーリエ・ジャポン、にこんな記事が出ていました。
ファッションのあり方は2000年代に入ると激変し、とてつもない速さで大量の服が消費されるようになった。ここ数年で台頭したZARAやH&Mなどのブランドもすっかり定着し、もはやこれらなしでは何を着れば良いのかわからない、という人もなかにはいるだろう。
7回着たらポイ─加速するファストファッション、年間消費量は800億枚
そんなファストファッションは環境破壊や労働力の搾取と密接につながっており、いま世界的なキーワードとなっている「サステナブル」からはほど遠い産業だ。海外メディアがその実情を報じている。
ファストファッションの台頭で、安くでデザイン性のある服が、大量に消費されるようになった。それにより、環境の破壊や、劣悪な環境下での労働を強いられる人も多くなった。といた内容の記事です。
今回の記事とからめて、大量消費社会とミニマリズムの関係について考えたので紹介します。ちょっと硬い話ですが、ミニマリストとは切っても切れない話だと思うので、ぜひ読んでください。
世界では大量の服が消費されている

この記事、7回着たらポイ─加速するファストファッション、年間消費量は800億枚、を要約すると、下記です。
- ファストファッションの台頭で服の消費量が増えている
- 世界中で排出されている廃水の20%、炭素の10%はこの業界によるもの
- バングラデシュ人や中国人、ベトナム人が非人道的な労働条件に直面している
- アメリカでは、年間ひとりあたり約68着もの服を買う
- イギリスの2015年の調査の結果、一着の服は平均して7回着用されると捨てられていた
ZARA、H&Mなど、安くて、商品の切り替えサイクルが早いのがファストファッションです。
これの記事から、世界中でかなりの服が消費されていることがわかります。一人で年間、約68着なので、月計算で5-6着ですね!
服が大量消費される理由

服が大量消費される理由は、2つの側面があると考えます。
まず、服が大量消費される理由は、大量に生産し、流通できる環境ができたことです。理由は下記です。
- 人件費の安い国での労働者の確保ができた
- 全世界での流通網が整備され、物の移動が早く安くなった
これにより、最新のデザインの服を、安い原価で大量に製造し、大量に早く消費者に届けられるようになりました。
もう一つは、人の消費欲求です。
むかしむかし、服はとっても高級品でした。高くて、品数がなくて、なかなか買えない物。なぜなら、現在のように、低い製造コストや流通がなかった時代だからです。
今はどうでしょうか。安くて、最新のデザインの服が、それこそ毎月のように店頭で供給され、買うことができます。これにより、人が欲しいと思った時に、我慢せずに買えてしまう環境が整いました。
ファストファッションは人を幸せにしない
ファストファッションは人を幸せにしません。
理由は、下記です。
- ファストファッションは、トレンドをベースにデザインを消費している
- 流行りの期限はとても短い
- 品質が良くないことが多く、何度も着ることに耐えられない
- 安物買いの銭失い
1.ファストファッションは、トレンドをベースにデザインを消費している
ファストファッションは、トレンドをベースにデザインを消費しています。
これはどういうことかというと、ファストファッションは、最新のトレンドデザインを常に取り入れて、デザインから、生産までのスピードを短縮し、最新のデザインを、より早く、そして安く提供しています。ZARAは、このビジネスモデルで有名ですね。
まず、最新のトレンドが、パリ、ミラノ、ロンドン、そして各都市のコレクションで発表されます。そのデザインと需要をベースに、ファストファッションの各企業が、トレンドを取り入れた最新の服をデザインし、安い原価で製造に入ります。このサイクルがとても短時間で循環し、大量の服が世界に供給されます。
これは、一見良いことのように思えるかもしれませんが、大きな問題を抱えています。
2.流行りの期限はとても短い
まず、流行りの期限はとても短く、この前買ったデザインが、すぐに古くなる。ということが、起きます。
よって、最新のトレンドの服を身につけるには、短期間で新しい服を買い続けるしかありません。
これって本当に、消費者が望んでいることでしょうか?
3.品質が良くないことが多く、何度も着ることに耐えられない
そして、ファストファッションは、品質を犠牲にしています。
最新のデザインありき、かつ、コストをかけられないので、機能性を考えていない、コストの安い材料、製造品質、で製造されます。よって、長く着ることに耐えることができません。
4.安物買いの銭失い
つまりは、安くて、品質の悪いものを大量に買うことになり、お金ばかりを浪費して「Quality of life / 生活の質や満足度」が上がらない、という結果になってしまいます。
まさに、安物買いの銭失い、ですね。
提案したいのは、良い品質のものを、それなりの値段で買うこと

ミニマリストとして提案したいことは以下です。
それは、シンプルに「良い品質のものを、それなりの値段で買おう」ということです。
良品質のものは、価格が高いです。なぜなら、良品質のものを製造しようとすると、開発費、人件費、製造コスト、がかかるためです。
そして、その品質を維持するためには、企業として利益を出すことができる販売価格を設定し、会社を維持していく必要があります。
安くものを売るということは、開発費、人件費、製造コスト、を下げる。つまり、物の品質を下げることにつながります。
(企業によっては、開発、効率化、不当な利益の上乗せ、等、下げられる部分はあるかもしれませんが。)
品質の良いものを、適正な価格で買うと何が起こるか
そして、品質の良いものを、正当な適正な価格で買うことによって、「安い価格の低品質」なものは駆逐され、「品質の良い適正な価格」のものが残ります。
これにより何が起こるかというと、消費者は品質の良いものを長く使うことができ、品質の良いものは、機能性、デザイン、も良いので、Quality of life / 生活の質や満足度が、上がります。
企業としては、「安い原価の低品質なもの」しか提供できない企業が駆逐され、「品質の良い、適正な価格で物を提供できる企業」に、お金が回ります。
お金が回れば、開発費、人件費に、もっと投資ができ、さらに品質の良いものを提供できる。という、良い循環が起こります。
安いものを無駄に大量に買うのをやめよう
高いものはいいかもしれないけど、そんなにお金はない。という方もいると思いますが、安物買いの銭失いをやめて、品質の良いものにお金を使うようにすればいいだけです。
たとえば、年に何十着も安い服を買っている人は、買うのをやめて、品質の良い数着を厳選して購入し、長く愛用しましょう。
最初は物足りないと思うかもしれません。ただ、品質の良いものであれば、着心地もいいですし、デザインもしっかり選べば、オシャレに着ることができます。
また、この循環を作りことにより、不必要なものを浪費し、破棄することを止めることができます。つまり、環境破壊を最小限にし、不当な賃金と劣悪な労働環境で働く人たちを少なくすることができます。
ミニマリズムを実践することで、地球と世界に貢献できる。大げさにいうと、そんな話です。